セラピーの基礎知識

セラピーの資格と問題点

セラピーと資格

セラピーには、アロマセラピーやカラーセラピーなど、たくさんの種類があります。さらにアロマセラピーの中に複数の資格があったりもして、セラピーの資格体系は少々複雑です。

セラピーの資格の意味についてきちんと理解するために、まずは日本の資格の分類について紹介しましょう。

日本の資格の分類

日本の資格は「国家資格・公的資格・民間資格」に分類されます。

国家資格

国家資格は国が発行している資格です。職域が法律に守られており、該当する資格を持たない人は仕事ができません。また、職業を名乗ることもできません。

例:医師、弁護士、美容師、あんま師、作業療法士、など

公的資格

国の各官庁が発行している資格です。法律による権限はないですが、資格の信頼度はとても高いです。国家資格のように、取得後すぐに仕事に結びつく資格ではなく、自分のスキルをきちんと証明してくれる資格が多いです。

例:臨床心理士、色彩検定、簿記検定、など

民間資格

民間の学校や団体が発行している資格です。資格の質はピンキリで、TOEICのように比較的社会に認められている資格から、講座修了証書のような何の力も持たない紙切れだけの資格まであります。

例:アロマセラピスト、リフレクソロジスト、TOEIC、など他多数

セラピーの資格の問題点

日本には数え切れないくらいたくさんのセラピーの資格がありますが、そのすべてが民間資格です。つまり、国が認定した資格ではなく、スクールや団体が発行認定しているだけの資格なのです。

民間資格には法的な権限はありません。例えば「アロマセラピスト」の資格を持っていなくても、今日からアロマセラピストとして仕事を始めることも可能なのです。

セラピーの資格を持ち、セラピストとして働いている人がいても、その資格はその人の力量を公的に証明するものではありません。資格を持っているというだけでその人を信頼するのは、実はとても危険なことです。

セラピーの資格を取得する意味

セラピーの資格は、その分野に精通した人なら知っているけど、一般の人はほとんど知らない・・・という資格がたくさんあります。そんな資格、履歴書に書いたとしても意味はありませんし、仕事にも結びつきません。

それでは、スクールに通い資格を取得する意味は何でしょうか?

1つは、その分野に精通している人になら、自分の力を証明できます。アロマのスクールで働きたいなら、有名なアロマセラピーの資格を持っていれば、スキルの証明になります。

2つめは、資格を取得することにより、その団体が開発した”セラピーツール”を使えるようになることがあります。資格取得がツール使用の契約に含まれているケースです。民間資格は、その団体の中でなら大きな効力を発揮するのです。

3つめ、これが一番の意味になりそうですが、資格取得によって、自分のスキルを(自分で)再確認することができます。人に証明するためでなく、自らのスキルアップのために資格試験を利用するケースです。

おまけとして、資格をもっていれば民間資格の意味をよく知らない人に対して虚勢をはることができます(笑)。「私、セラピーガイドが発行してる”スーパーセラピーアドバイザー”ていう資格もってるよ」と言えば、すごいと思う人もいるかもしれませんね。